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コラム(601)

1988年8月から1989年7月にかけて発生した東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件被告宮崎勤に対する最高裁の上告棄却判決が1月17日下され、死刑が確定した。
この事件は、都市防犯研究センター設立年に発生し世間を震撼させた大事件で、設立時から研究員として勤務していた筆者にとって、最も印象深い事件である。
事件発生当初から色々な人がさまざまな角度で事件の分析を始めたが、筆者は、特に事件着手場所に力点を置き発生原因を追究した。
現在に至るまでの争点となった、宮崎勤の病理と冷静さとの連関性について、筆者の結論は、「非常に冷静に準備した犯行」で、公判供述のような犯罪現場に現れた多重人格の「第三者」の命令で行動したものではないとの結論は不当なものではないと考えた。
これは、「最終犯意」は、やり通せる空間で発生しやすく、被害者と加害者が第三者の目から隔離されたされたとき着手されるという、発生原理がまさに当てはまっていたからである。
公判では、残念ながら「事件発生空間」と宮崎勤による直感的にしかし冷静に判断する「分析力」は議論されなかったが、少なくとも川越、江東においては、複数回の冷静な下見がなされたはずである。
これらの議論は欠落したが、結果として宮崎勤の精神鑑定が冷静に取捨された最高裁判決といえる。
現在私たちで推進している建物の安全研究は「犯罪者の心理」と空間の防御の研究成果でもあり、感慨を新たにした。

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